【全工程を完全解説】なぜサビだらけのパーツが再メッキでここまで美しく戻るのか?
こんにちは、白洋金属工業所のTMです。
🤔「サビサビになった古いパーツ、本当に綺麗になるのかな……?」
😥「再メッキを頼んで、母材が傷んだり、ボコボコが目立ったりしないか不安だな」
再メッキを依頼する時、こうした不安や悩みを抱えていませんか?
特にバイクショップ様やレストア業者様、個人オーナー様にとって、お客様から預かった大切なパーツの再メッキは、絶対に失敗したくないポイントですよね。
結論から言うと、ある程度の錆びまでは、適切なプロセスを踏めば新品同様の輝きを取り戻せます。これはどこのメッキ屋さんに聞いても同じ答えが返ってくるでしょう。
「いやいや、それは分かってる。だからどの程度までできるねん!」そう言った疑問に、お答えするために、本記事で実際にお預かりしたエンジンガードの再メッキ工程を写真付きで公開します。
もちろん、バイクショップ様に許可を得ての掲載です。
剥離からサビ落とし、職人による研磨まで、リアルな現場の裏側をご覧ください。
3分ほどでサクッと読めます。「大切なパーツを安心して預けられるメッキ屋を探している」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
受入時の状態:深い錆が発生したスチール製エンジンガード
まずは、ご依頼いただいたときのエンジンガードの状態がこちらです。



かなり使い込まれており、全体的に茶色いサビが発生していますね。 点サビ(プツプツとした小さなサビ)だけでなく、広い面でサビが前面に広がっている状態です。
このままではメッキ加工ができないため、ここから段階的に「古いメッキ」と「サビ」を剥がしていきます。
【工程1:サビ落とし】塩酸を使ってサビを除去する
最初のステップとして、酸性の液体である「塩酸」の槽にパーツを浸けます。 塩酸は鉄のサビ(酸化鉄)を強力に溶かしてくれる性質があります。
サビを落とした後の状態がこちらです。


茶色いサビを取り除いたことで、光沢のある部分と、光沢のない部分(白っぽくくすんだ部分)がハッキリと分かります。
この「光沢がない部分」はサビが母材の奥まで進行している場所です。
実は塩酸に浸けることで、最表面にある「クロムメッキ」も同時に剥離しています。
ただ、クロムメッキの下にある「ニッケルメッキ」 の層はまだ残っているため、次の工程に進みます。
【工程2:剥離】専用の剥離液で旧皮膜を完全に取り除く
次に、まだ残っている古いメッキ被膜(ニッケル)を取り除くために、専用のメッキ剥離液に浸します。
剥離後の状態がこちらです。
[写真:旧メッキ被膜を剥離した後のエンジンガード]


これで完全に「素の鉄パイプ」の状態に戻りました。 光沢がない部分は、サビが侵攻していた跡です。
素の状態に戻ったなら、このままメッキ処理をすればいいのでは?と思うかもしれません。
ですが、この状態のままメッキをかけると、サビ跡がボコボコと残ったり、白い跡が残ったりと仕上がりが非常に汚くなってしまいます。
そのため「バフ研磨」で部品を磨く工程が重要になります。
【工程3:バフ研磨】仕上がりを左右する、職人の下地処理
メッキを美しく定着させ、艶を出すために「バフ研磨」を行います。
[写真:バフ研磨後のピカピカになったエンジンガード]


いかがでしょうか。ここまでキレイになりました。
ただ、ここで一つだけ事前に知っておいてほしい「限界値」があります。
深いサビ跡や大きなキズ、バフ研磨が当たらない部分は消えません。
サビが鉄の奥深くまで進行して「クレーター状の穴」になっている場合、それを完全に平らにしようと削りすぎると、鉄パイプ自体の肉厚が薄くなり、強度が落ちてしまいます。
そのため私たちは、「パーツの強度(安全性)」をしっかりと維持した上で、できる限りサビ跡を目立たなくするという、絶妙な加減で研磨を行っています。
この丁寧な下地作りがあって初めて、美しいメッキ層が定着します。
【注意点】
サビはだいたい何とかできるけど、部品に穴が開いてしまうとNGだという認識でいていただけたらOKです。穴が開くと板金屋さんに直してもらうとか、パーツを新しく作成するなど別の工程が必要になります。
【工程4:多層メッキ】「銅・ニッケル・クロム」で実現する輝きと耐久性
ここからがいよいよ仕上げのメッキ工程です。 今回は、以下の3段階のステップを踏む「多層メッキ(仕様:装飾クロムメッキ)」を行いました。
1. 銅メッキ: 下地との密着性を高めつつ、表面のわずかな凹凸を埋めて平滑にする(レベリング効果)役割があります。

2. ニッケルメッキ: 銅メッキに次ぐサビの発生を防ぐ「防錆(耐食性)」の要となる、こちらも重要な層です。
3. 装飾クロムメッキ: 最表面を硬く保護し、変色を防ぎ、あの美しい青白い輝きを与えます。
仕上がった完成品がこちらです。
[写真:完成したピカピカのエンジンガード]



サビだらけだった状態から、鏡のような美しい輝きを取り戻しました。
最後にビフォー&アフター
大切なパーツの再メッキは、ぜひご相談ください
今回はエンジンガードの再メッキ工程をご紹介しました。
最後に内容をまとめます。
– 再メッキは、ただメッキを重ねるだけでなく、古い膜やサビを「完全に剥がす」ことが前提。
– 仕上がりの良さは、メッキ前の「バフ研磨(下地処理)」で決まる。
– 安全性を考慮し、削りすぎずに美しく仕上げる職人技が必要。
当社では、バイクショップ様やレストア業者様からの、1点ものの再メッキ・レストアのご依頼にも柔軟に対応しています。


この部品がビフォーアフターでここまで変わるのですから、諦めないで一度「このサビたパーツ、再メッキできるかな?」とお悩みの際は、まずは写真などを添えてお気軽にご相談、お問い合わせください。素材の厚みや状態を見極め、最適なご提案をさせていただきます。

