どんな部品にめっき技術が使用されているのか

気がつけばあなたの周りはメッキの部品だらけ。車のバンパーやドアのハンドルがピカピカ光っているのも、スマートフォンがスムーズに動くのも実は全部メッキのおかげなのです。
もしメッキがなかったら、車はすぐにさびつき、スマホは電気が通らず、スプーンなんて一瞬でくすんじゃいます。
メッキが登場する前の世界を想像してみてください。ピカピカもすぐになくなり全てがどんより曇った世界のようです。
しかし、メッキはそんな曇った世界を変えてくれたのです。世間的にはマイナーで凄く地味な技術ですが、どれもこれもメッキがなければ今のような輝きを放てない。この世界にはなくてはならない技術なのです。
知らぬ間に日常生活に入り込んでいるメッキの部品。今回は身近な事例を5つ紹介しながら、どんな部品にメッキが使われているのかを解説してまいります。
1.自動車の部品
身近で使われている代表例は自動車の部品。
自動車は屋外で利用するので、常に風雨や汚れにさらされています。そのため、各種部品をサビから守るためにメッキが必要です。
車の外装や内装部品のシルバーっぽいピカピカな部品(フロントグリル、ドアハンドルなど)は樹脂材料の上にクロムメッキが施されていて、きれいな光沢が出るように仕上げられています。
使用例
- クロムメッキ 車の内外装部品に使用され装飾性、耐久性を高めさびを防止
- 亜鉛メッキ 骨組みやネジなど、さびやすい部分に使用される。
ちなみに車のボディーを塗装するのは、塗料で全体をコーティングしてサビや見た目の美しさを保つためで、メッキに似た目的で利用されています。
ただし最近はドアハンドルやバンパーなどに使用されるメッキも減り、塗装された製品が増えてきています。
2.家電や電子機器の部品
スマートフォン、コンピュータ、テレビなどの内部に入っている電子機器には、メッキが欠かせません。特に電気を通しやすくするために、金や銅などのメッキが使われています。
使用例
- 金メッキ 電気を通しやすく腐食しにくくスマホの接点やプラグなどに使用
- 銅メッキ 電気をよく通すので電子基板やケーブルなど
- ニッケルメッキ 耐久性があり電子機器のコネクタ部分など
電子機械に使うメッキは金やレアメタルを使うので、代替え品を世界中で開発していますが、現状は画期的な解決方法はまだのようです。
さっき例にあげた自動車なんかは自動運転技術やEV化にともない、どんどんコンピューターで制御している部分の割合が増えています。そのため、車は外だけじゃなく内部までたくさんメッキ部品が使われているのです。
3. 台所用品や家庭用品
スプーンやフォークなどの台所用品にもメッキがされています。これらの製品は頻繁に水に触れることが多くさびやすい。なので、表面をメッキしてさびにくくコーティングすることが一般的です。
使用例
- アルマイト処理 食器や調理器具にも使用され耐食性・耐摩耗性の向上、装飾の付与。スマートフォンの外カバーにも使用されています。
- 銀めっき スプーンやフォークなど
- クロムメッキ シンクや蛇口などの水回り用品に使用されピカピカの光沢を保つ
キッチン周りで銀色に輝いている物は、だいたいメッキでコーティングされています。
4. 装飾品(アクセサリー)
指輪やネックレスなどのアクセサリーには非常にメッキがよく使われます。金や銀をメッキすることで高級感を出したり、見た目を美しくしたりします。また、アクセサリーの素材を守るためにもメッキが役立っています。
使用例
- 金メッキ ジュエリーに使われ豪華な見た目にするため
- ロジウムメッキ 白い光沢で美しく高級品な貴金属のアクセサリーなどに使用され変色を防ぐ
ロジウムメッキは僕の好きなシルバーアクセやクロムハーツなんかにも使われています。シルバーアクセは、中を別の金属にして銀メッキでコーティングしています。
5. 工業部品や機械部品
工場や機械の中で使われる部品もメッキが必要です。これらの部品は繰り返し同じ作業をします。そのため摩耗(すり減ること)しやすく、強い耐久性が求められるため、硬い金属のメッキを施して耐久性を上げるのに使います。
他にも化学薬品に触れることが多い作業でも金属をメッキで守ることができます。
使用例
- 硬質クロムメッキ 機械の回転部分やシャフトに使われ摩耗を防止
- 亜鉛メッキ ネジやボルトなどサビやすい部品に使用
メッキ部品は日常生活に溶け込んでいます
あなたの身の回りは実はメッキの部品だらけだったんですね。車だって、スマホだって、キッチンだって、みんなピカピカ光ってるでしょ?
でも、その裏にあるのは「メッキ」という名の地味〜な存在。でも、メッキがなければ僕らの生活はサビと汚れに支配されます。
車のバンパーはすぐ茶色くなってボロボロ。スプーンは一瞬でくすみ、アクセサリーは光を失う。もはやディストピア。
メッキって普段は脇役っぽく見えていますが、実は「メタル界のスーパースター」。普段目立たないからこそ、その偉大さに誰も気づかない。もしメッキがなかったら、全員がスッピンのまま社会に出ているようなもんです。
メッキはただ各種部品を表面処理してるだけじゃなくて、僕らの生活をスタイリッシュにしてくれる、隠れた存在だったんですね。
メッキ加工に関するご相談を受け付けています
こんな素材だけどメッキできますか?
少数ロットでも対応できますか?
メッキされている製品の再メッキはできますか?
などなど、メッキに関わる事ならば、各種どんなご相談も受けたまります。 ちょっと一見すると難しそうな案件もご安心ください。白洋金属工業所は創業70年、その道のプロがいつでも各種メッキのご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。